2013年8月23日金曜日

ちょっと前、修理仕事が立て込んでいる時期に、「鳥取家具工業」さんの食堂椅子の張替えと塗り直しの仕事がありました。
よくわかりませんがお客様のお話では30年以上前のものだそうで。
鳥取家具工業の製品といえば、いまやユーズドファニチャーやアンティーク系のショップさんにとっては垂涎の的だそうで「出物があったら即、買い」だそうです。
市場の中での供給数が断然少ない希少性のことなのか、それともデザイン性の高さゆえなのか、ユーズド品の世界を知らない私にはわかりません。
今回修理した食堂椅子は張り布は擦り切れ、フレームの塗装は剥げ落ちて無残な姿でした。
しかし全体のシルエットには当時のモダン家具の良きなごり、みたいなデザイン性の高さを感じました。
実は地元でありながら鳥取家具工業さんについてはほとんど知るところがありません。
当時勤めていた人たちはまだまだご健在だとは思うんですが、当店のある米子市と鳥取市ではなにぶん距離がありすぎて、様子さえ知らずにいました。 そう思っていたところに出会ったのがこちらの本。
「日本の曲げ木家具~その誕生から発展の系譜~」
著者は九州大学芸術工学研究院の石村眞一博士。
曲げ木家具で有名な秋田県や岐阜県のメーカーについての言及が多い中で、少ないながらも貴重な鳥取家具工業の歴史が語られています。
高価な学術書なんで「即、買い」というわけにはいきませんがなんとかやりくりして手にしてみたい一冊です。