2014年2月26日水曜日

昨日のニュースで、大阪市の難波宮(なにわのみや)跡から出土した桂材の柱を最新の年代測定法で測定したところ七世紀前半に伐採されたことが判ったそうです。
今朝の新聞を見て知ったのですが、まず見出しの「桂(かつら)材の柱」という部分に目を惹かれました。

桂の木というと碁盤、将棋盤のイメージがありましたが、碁盤や将棋盤には榧(かや)の木という最強のブランド樹種があるせいか、今ひとつピンときませんでした。
30年くらい前、桂材の婚礼タンスを扱ったことがあり、当時のお客さんは桂と聞くと「桂は良いですよね」と妙に納得されていたのを覚えてます。
それ以来、桂材の家具を目にしたことはありません。
桂の板の杢目や色味、風合いももう覚えていません。
今、ネットで「桂、材、用途」と検索すると彫刻、まな板、仏具等いろいろ出てきますね。
興味深かったのは楽器です。
1980年前後にヤマハ製のギターのボディに使われているようです。
残念ながら画像を見つけることは出来ませんでしたが、桂が使用された経緯を推測している文章がおもしろかったです。

高価なギターのボディに高級材、マホガニーが使われたりしますが、廉価品の場合代用材としてアガチスを使うそうです。
アガチスは家具でもお馴染みの南洋材で、仕上げ方次第ではあらゆる銘木の代用材になるという非常に便利な木だそうです。しかも安い。
で、そのアガチスですが日本での流通名のいくつもある中のひとつに「南洋桂」というものがあります。
見てくれはまったく別物なのに「桂」の名が付くところの胡散臭さはこの際脇に置いとくとして、実際に桂でギターを作ってしまったというのはこのアガチスに遠因があるのでは、という内容でした。
桂のギターはごく短期間に生産終了してしまったみたいです。
ヤマハのウェブサイトを見ましたが、なぜギターに桂の木を使おうと思ったのかということはわかりませんでした。
ただ、ネットを検索しながら楽器の木の種類と音色の違いについて書かれた文章のいくつかはとても魅惑的でした。
楽器の材料の代用材は見かけよりも音色を重視しているのかも、と思いました。

写真は桐タンス修理前。
すでに修理が終わってますので後日アップしたいと思います。
追記 柱の樹種は「桂(かつら)」ではなく「高野槙(こうやまき)」の間違いでした。
    2月28日のブログをご参照ください。